第1章 色輪騎士団と聖騎士団
第1章 色輪騎士団と聖騎士団
セントロマノ教皇国、聖騎士団長オフェリア・コートニー。
圧倒的な戦闘力を持つ戦闘狂。神の代行者として教皇や枢機卿からの命を受け戦うが、その真の動機は不明だ。あまりにも身勝手な単独行動が多く、国中の聖職者やシスターからは「本当に信徒たる人間の振る舞いだろうか?」と疑われている。神の御心のままに? それとも己の欲望を満たすため? しかし、その戦闘力から大いに頼りにされているのも事実である。彼女を中心とした5人の聖騎士団は戦いに飢えているため、常に戦うきっかけを欲しているようだ・・・。
そんなある日・・・。
オフェリアは教皇庁に呼び出しを受けた。教皇は神妙な顔つきで言葉を発した。
「神のお告げがありました・・・。信徒を救いに行け、と・・・。大陸で信仰を捧げている信徒を救うため、東西南北へと領土を広げに向かわなければなりません・・・。」
教皇は深くため息をついた・・・。すると教皇の後ろから、蜃気楼のように枢機卿が姿を現した・・・。
「聞いたであろう。オフェリアよ・・・。そなたが指揮を執り、我が領地の東西南北の国境に兵を配備し、領土拡大の施策を取り計らいなさい・・・。」
オフェリアは高鳴る鼓動を抑えられなくなってきた・・・。
「枢機卿・・・それは、神の名のもとに剣を振るってもよろしいとのことなのですね・・・?」
枢機卿は静かに頷いた・・・。
「多大な犠牲が出るやもしれませんよ・・・?」
枢機卿は答えなかった・・・。
「神がお望みなのです・・・。」
教皇が静かに答えた。オフェリアは顔のニヤつきを止められなくなった。枢機卿は目つきを鋭くして言い放った。
「我が領土の国境はいくつかの国と接している。お前も知っての通り、今のこの大陸はいくつかの国が乱立しており、そしてその間を取り持つ第三極の騎士国家や勢力が存在している。その中でもとりわけ我が国と因縁深いのが色輪騎士団であろう。お前も戦ったことがあるはずだ。その色輪騎士団が我が領土を包囲しているという情報がある。わかるな? お前はイデア、ザイラ、セレナ、リリアーナを率いて色輪騎士団の包囲を突破せよ・・・。」
オフェリアは興奮を抑えきれなくなった。
「あはは、当然よマザー。私に任せて。色輪騎士団は一人残らず私が捕縛してみせるわ。楽しみにしてて・・・。ほかのメンバーも戦いに飢えてて・・・こういう機会を待っていたのよ・・・。」
オフェリアは高笑いを響かせながら教皇庁を後にした・・・。
とある場所にて。
(よくぞ参った・・・黒の将軍アイラ・ブラックウェルよ・・・。)
「は・・・。主公様・・・。この度の招集はどのような理由があってのことでしょうか・・・?」
(うむ・・・。お前も知っての通り、この大陸の国々は絶妙なバランスで均衡を保っており、その国々の均衡が崩れぬように我々をはじめとした第三極の勢力がその調整役を担っておる・・・。お前をはじめとした色輪の騎士団も同じく・・・。)
「はい・・・。存じております。主公様・・・。」
(長い間均衡が維持されてきたが・・・ここにきて教皇国セントロマノにて不穏な空気が流れている・・・。教皇サンドラ・アハーンが領土拡大の野心に駆られて近々大規模な戦闘行為を起こすのではないかと・・・噂されている・・・。原因はわからぬ。あの国の教皇はそれほど強権的な人物ではなかったはずだが・・・。)
「それで・・・私への命は如何様に・・・。」
(うむ。お前にはほかの将軍たちを率いてセントロマノ国境を包囲し、戦闘行為の火種を根絶やしにしてもらいたい。セントロマノは聖騎士団が陣頭指揮をとるはずだが、お前たち色輪騎士団の将軍たちが出ていけば、大きな戦闘となる前に沈静化できるとみている・・・。)
「・・・指揮は私でよろしいのですか・・・? パールやジーナなど、適任は他にもおりますでしょうに・・・。」
(パールは情に甘い・・・ジーナは暴走する・・・マリアとルビーは考えるまでもない・・・。私はお前の冷徹なまでの任務遂行の意思を信頼している。)
「は・・・。有難きお言葉・・・。承知いたしました・・・。それでは私のほうからほかの将軍たちに連絡を取り、そのように取り計らいます・・・。」
(うむ・・・頼んだぞ。アイラ・ブラックウェル・・・。)